あなたの演奏レベルは?

こんにちは、マスターミュージックのHirotoです。

先日のレッスンで、受講生の方から興味深いお話を伺いました。

テレビ番組でバークリー音楽大学の入学試験問題が紹介され、バークリー生は実力を数値化されると言われていたそうです。この話題に驚きましたが、その一部は事実です。

パフォーマンス・レイティング・システム

この『実力』が何を表すかということですが、これは単純に楽器の演奏力のことです。したがって作曲やミュージックビジネスを専攻している方の実力は評価の対象外です。

楽器の演奏力の評価には様々な要素がありますが、バークリー音楽大学では4つの項目が評価されます。それは、「初見演奏の正確さ」「演奏技術」「インプロヴィゼーション」「リズムとスタイルの表現」です。これらの項目はそれぞれ8段階で評価され、その平均がオーバーオール・レイティングとなります。

レイティングの正確性

私はミュージシャンが持つ芸術性を数値化するというのは至難の業だと考えています。そもそも芸術の世界で優劣をつけることにあまり意味はないとも言えます。

しかしもしあなたが学習者の場合、レイティングを意識することは上達に大きく影響すると言えます。細かな判断基準を持っていないと、演奏力を正確に測ることはできません。

たとえば、自分の上達が遅いと感じる場合、その原因は様々です。練習量の不足とも考えられるし、読譜力が足りないために時間がかかっているのかもしれないし、リズム感の欠如かもしれない。それぞれの場合で練習すべき内容は大きく異なってきます。

読譜が全くできないのに楽譜やTAB譜を使って練習していたら、当然上達は遅くなるし、遅かれ早かれ辛くなって練習が続かなくなってしまうでしょう。読譜が全くできなければ、まず楽譜の知識を補うのが第一です。マスターミュージックの受講生でも、『たった1度のレッスンで楽譜が読めるようになった!』とか『楽譜ってそういう仕組だったんだ!』と驚かれる方がたくさんいます。想像以上に楽譜が読めないまま練習を続けている方が多いのです。

そんなわけで、レイティングとは学習者自身のやるべきことを明確化するために重要な指標となるのです。

レイティングの付け方

残念ながら、先ほど挙げた4項目のレイティングを正確につけることは、あなた自身では不可能です。どんなジャンルでもそうですが、『他者を評価する時、評価する側が評価される側より高い技術力を備えていなくてはならない』という原則があります。評価する側とされる側が同じ技術力の場合は正確に評価することは不可能です。よってあなたはあなた自身を正確に評価することはできません。

したがって、あなたの近くにいる、あなたより高い技術力をもつ方に評価していいただくことができれば良いですね。その方が、レイティング・システムの経験者だとなおさら良いです。

マスターミュージックでは、プロフェッショナルを目指す方に関してはこの考えを導入しています。受講生の方と相談して特に低い項目があった場合、時間をかけてスキル向上するようにしています。

まとめ

私は学生時代にレイティングがあったからこそ、自分の弱みを理解することができました。レイティングの試験は1セメスターにつき1度だけ受けることができたので、そこでレイティングを上げることを目標にして弱みを克服していきました。今ではその克服したスキルを仕事で活かすことも

昨今強みを伸ばすことに集中すべきとの風潮がありますが、音楽に関して言えば、1つの弱みが全体を引き下げることもあるので、一定の水準までは自身の弱い部分を鍛えることが大切です。